ft ダートトラック通信

二輪、四輪の文化、生活、ダートトラックの情報をアメリカ・インディアナ州インディアナポリスから発信。

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その3:壊れていたシガーソケット


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ヒッチハイク禁止の標識。 一見平和な景色も安全という訳ではない。




















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この景色から離れるのは、どこか名残惜しい。



In & Out の味を噛みしめて帰路に着く。




 サクラメントを過ぎて、本当に平らでまっすぐなハイウェイが終わり、シエラ・ネバダ山脈の登りに入ろうかという時、バンの水温計が異常な高温を示し始めた。 このままではオーバーヒートする。



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I-80を東へ向かう道中。




「山を越えられないな…。」




と判断して近くのガソリン・スタンドへ寄る。冷却水の温度が下がるのを待って簡易修理?を試みるも無駄骨に終わる。どうやらゲージは正常らしい。 GS店員さんに自動車部品屋さんの場所を訪ねる。”修理”屋さんは土曜日の夕方に開いてはいないし、再び開店する月曜までカリフォルニア内で待っていたら仕事に間に合わない。

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日暮れの中、様子を見るの図。




パーツ・ショップの場所を探してウロウロ迷いながらなんとか店を見つけ出すも閉店。 暗闇の中二件目のショップを見つけ出し滑り込んだ。 部品在庫もあった。



という訳で、再び冷却水の温度が下がるのを待ち、人目はばかりながら駐車場でサーモスタットの交換する。「駐車場で作業しないでください。」の看板がある目の前で作業するのはやはり気まずい。(一応書いておくと、お店の人には事情をあらかじめ説明した。)Auburnにて。

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暗い中での作業。



修理を終えた時点で日曜0時を回っていた。作業はうまくいったようで水温は安定したけれども、一抹の不安は拭えない。夜の涼しい内にこの山脈を登りきってしまい、ネバダの熱い砂漠も通過してしまいたかったから、宿を取らずにすぐに東へ向けて出発した。




そのまま夜通し走り続け、ネバダ州のエルコ(Elko)までは到達したかったけれど疲労、睡魔に勝てず、夜明け前に手前のBeowawaというレストエリアにて車を止め仮眠する。

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気絶寸前に撮った朝の景色へ変わる瞬間の図。 宇宙スケール。





ーーーーーーーーーーーーーーデイ5(?)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


何時に寝て何時に起きているのかはあまり記憶も定かでない。目が覚めたのは8時過ぎ頃だと思う。外はすっかり明るくなっているけれど、まだ朝の空気に包まれている。

顔を洗って少し外を歩いた。本当に周囲は砂漠で何もない。 レスト・エリアといっても実際にはトイレ以外何も無い。

ずっと続く砂漠の景色を見渡しながら…開拓時代に馬車だけでこの砂漠を越えていった人達に思いを馳せる。馬も人もどれだけ大変な事だったろう。命を落とした人も数多くいると聞く。それだけ人が生きるには過酷な場所だ。


日差しが強くなって気温の上がる前に進もうと車を動かし出したら何かおかしい。


レスト・エリアを出た瞬間.




ぶきん。





..と何か小さな音がしてから、前輪が異音が出し始めた。



窓から顔を出して回転している左前輪を見ると、グラグラしながら回っている。今にもモゲそう。





また壊れた。 




砂漠の真ん中で。 
  




車を路肩に止めて、点検してみる。ハタ目にはなんともないけれど、回転している時は本当にもげそうな勢いだった。



そんなこんなしていると、珍しく車が来て止まってくれた。  と思ったら回転灯が光り出す。 お巡りさんだった。



事情を説明すると、バンを一通り見たオマワリさん、サングラスを掛けているのだけれど、明らかに顔が笑っている。「このバンで旅をしたら、まあそんな事が起こっても当たり前だろう。」と言った顔。砂漠の真ん中でこんな事が本当に起きたのだから、笑っちゃうのも仕方ない。


お巡りさん:「レッカー呼ぶならこの番号にダイヤルすればいい。」「更に何か危険やまずいと感じたら911へダイヤルしなさい。OK?」

とやたら爽やかな笑顔を残して去って行ってしまった。


KFR:(行っちゃったよ!911へ電話したら来るのはアナタでしょ!?) 


...止まってくれたはいいが、行ってしまったので、むしろ取り残され感が湧き上がる。まったくコメディの1シーンみたいだった。




路肩での作業はとても危ない。 交通量もほとんどないので、バックでレスト・エリアまでゆーっくり車を戻し、車輪を外してみた。


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ホイール・ベアリングが逝ったらしい。ハブ(ホイール付いている元の部分)がガッタガタに遊ぶ。


ここから次の町、エルコまで43マイル(=68.8km)程。路肩走行でゆーっくりと車を進めれば自力で行けない事はないけれど、車は更に痛むし、そんなに緊迫した事態とも思えなかった。AAA(=トリプルA。日本のJAFに相当)に加入していたので、レッカーを呼ぶ事にする。


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ジタバタしても始まらない。 レッカーを待つの図。


待っている間にレスト・エリアで清掃をしていたインディアン風の男性がやって来た。地元の人らしい。彼いわく


「日曜に修理屋はやってない。エルコは大きな町でカジノからウォル・マートまであるけど、自動車修理屋はウデ悪いのに料金ベラボウに高い。ちょっとのワイヤ替えるの$600かかった。自分でやるのがイチバンいいよ。」


 話を聞いてエルコの「部品」屋まで運んでもらう事にした。開拓時代への回想もしたところだったから、アクシデントとはいえ現在の自分の状況はむしろ修理可能、ラッキーな範疇と思った。



 2時間は待たなかったと思う。レッカー車は来た。こんな場所だったからむしろ早い到着だと思う。強面のレッドネックが来るのかと思ったら、態度は紳士そのもの、素晴らしい人だった。



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 エルコまでの約一時間のドライブ、会話をしながらのドライブは新鮮で楽しかった。(アメリカでこういった形で出会う人とはあまり身の上話はしない。)レッカー料金自体は無料なのだけれども、チップは払う。


パーツショップに車を下ろしてもらい、早速修理にかかる。

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粉々になった元ベアリングの欠片が。。




自分のフォード・バンはアメリカ国内では一般的なワークバンなので、どの部品屋に行っても大抵パーツ在庫がある。日本車だとこうはいかない。壊れない前提でできているというのは、この国ではむしろ更にやっかい、ないし恐ろしい自体になる気もする。


最近パーツ屋さんは必要とあれば特殊工具も貸してくれる。しかしローターに圧入されたアウターリングは外せない状況だったので、時間を買う意味でもローターごと新品にした。パッドも減っていたのでついでに交換。

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普段整備する機会のないバン、こういう機会にむしろどんどん調子を良くしていく。
(出発前に余裕があればもっと十分にトランスポーターの整備点検もできたはずだが。。)


 自分の工具箱を積んできているので作業はそれなりに進んで完了。試乗がてら近所をドライブしてベジタブル・サンドイッチを喰らう。夕方になっているんだけれども、朝食ったバナナ以外にこれがこの日最初の食事。この一連の修理作業でデイ・タイム(日中)を全て使ってしまった。宿があるからって休む訳にはいかない。再びハイウェイへ乗り東へ向かう。



周囲はすぐに暗くなり、またもナイト・ドライブ。この日は皆既日食があるという事を聞いていた。ユタ州に入り、ソルト・レイクの直線を日食現象の月明かりと共に進んだ。月光はすごく明るくて車のヘッドライトを消しても道路が見える程だった。例によって時間と空間の感覚が日常離れしていく中でのドライブを続けた。

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新品ベアリング、車輪がよく回る。


 ソルトレイク・シティの朝の通勤渋滞に巻き込まれたくなかったから、このままずっと夜通し走ってシティ・エリアを通り抜け、I−80 MM170というレスト・エリアまで走りきり、車中で休む。エルコから307マイル(=491.2km)走った。アクシデント発生からレッカー移動、修理、ドライブと長い一日だった。






ーーーーーーーーーーーデイ6(?)ーーーーーーーーーーーーーーーーー




疲れて寝過ごすかと思うとそうでもない。ここでの寝覚めは更に早かった。少し歩いて写真を撮る。


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ここを登りきってユタ州を出てしまえば山脈越えのような厳しい環境もないし、気温もずっと涼しく、楽になる。早朝の爽やかな空気を吸ってから、再び東へ向かう。

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個人的にはワイオミング州の景色がとにかく美しくて気に入った。とにかく田舎で何もない。EXITを降りるとすぐ舗装も切れてダートになっている!ハイウェイの横には線路があって並走している。パーキングエリアはあるけれど、いよいよトイレもない。本当に空と平原しかない。よく皆さん生活していらっしゃるというか、たくましい。



80マイル制限のハイウェイだけれども、例によって75マイルキープで進む。


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途中ガスストップ。 ←ポンプ故障でガスが買えなかった。。 空タンクギリギリまで走るのは得策でない。

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にわか憶えパノラマ画像@ワイオミング



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光のシャワー。


こういう景色の中を走り続けていると、自分の存在も麻痺していく。自己の存在はあくまでもこの世界の一部に過ぎない。 これを体験し、感覚として得る事ができるというのは素晴らしい。



 不思議な感覚のままドライブを続け、ネブラスカ州へ入る。インディアナまでの残りの距離、時間などを考慮して、この日はモーテルで休む事にした。感覚が麻痺しているのだけれども、ハード・スケジュールをこなしてきているから疲れていない訳がない。それならちょうど移動の中間日にあたる今日と判断した。夜の10時頃だったと思う。オガララまで走ってデイズ・インに宿泊。


ユタ州内のレスト・エリアからネブラスカ州オガララまで556マイル(889.6km)。





ーーーーーーーーーーデイ7ーーーーーーーーーーー




ぐっすりと寝た。宿で休息すると体力の回復が違う気がする。



チェックアウトして、モーテルすぐとなりのマックでコーヒーを飲みながらWifiを利用させてもらう。コーヒーはイート・イン=店内利用だとお替りを入れてくれるのでありがたい。


給油、クーラント、オイルの点検をしてから出発、I-80をひたすら東へ進む。「レースを走れなかった。」事よりも現在の事、今後の事を考えながら、州都オマハまで326マイル(521.6km)を走り給油、そこからアイオワ州デスモインまでおよそ138マイル(220.8km)走った。気分的にはこの740キロ超を一気に走った感じがある。



 ダベンポートで給油ストップのついでに、癖になってしまったベジ・サンドイッチを食べる。レジの人と話題になったのだけれども、「カリフォルニアまでドライブ?羨ましいな。そんな遠くまで行った事もない。」と言っていた。まさか本国の人に「羨ましい」と言われるとは思わなかったから返す言葉に詰まってしまった。確かに走っていてもよく見かけたのは運送トラックか、定年退職した風に見える高齢者が運転しているキャンピング・カーばかりで、いわゆる「普通の人」「普通の景色」を見るのは地元の生活をしている方々ばかりだった。



まだまだ距離はある。そそくさと食事を済ませてハイウェイへ戻る。 I-80から眺めるアイオワ州の風景は中西部の一般的な田舎風景。とにかく早くインディアナへ戻りたかった。




途中で見た少し面白い景色。
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風力発電塔の羽を運ぶトレーラー。この国では家でも戦闘機でもなんでもトレーラーで輸送。






イリノイ州へ入る頃には真っ暗になっていた。ガソリン・スタンドを見つけ出すのに手間取りつつも給油をして、ハイウェイに戻る。ほぼ夜通し走り、インディアナの州境を超えてすぐのレスト・エリアで最後の仮眠をとる。今日の走行距離約853マイル(約1365km)。(✳︎レスト・エリアでの就寝は治安上おすすめしない。どの州でも同様。)







ーーーーーーーーーーーーーーーデイ8とそれ以降〜ーーーーーーーーーーーーーー


朝7時ごろに目が覚めて一通りの確認をしてから走りはじめる。ここまで戻って来ると到着以降の事を考えるようになる。

丸々一週間の移動を終えて正午、インディアナポリスに到着した。





ドライブはここまで。





「先の事を考えて進まねば。」ということで翌日から仕事に出勤したところ、まず頂戴したのは「お役御免」の告知だった。 




理由は難しくない。 





 さて、これがシリーズ戦ならばレース場から次のレース場へ直行という事も日常だから、どれだけタフな生活か察してもらえるかもしれない。 勝利を目指すとなればチームワークを用いるのも当然だし、これがおよそ半年間は続くとなれば、サラリーマンでいられる道理がない。 「仕事」でなければ成り立たない。スポーツの道を極めようとする人ならばどのカテゴリーでもそれなりの苦労をされていると思う。


「何事もやってみなければわからない。」

今回の自分は本当にお粗末だった。でもとにかくこの国をほぼ横断、往復してようやく勉強した。 ガーネットと作ったマシンを走らせられなかった、レースができなかったのは残念。ただ次に向けて気持ちを切り替えていくしかない。




以下のような内容を公開するのもどうかと思うが、こういう時代だし後進やその他様々な人の参考にしてもらえたらと思う。数字で物事を判断する人にもわかりやすいはず。



水曜日:出発 移動 1167km
木:移動 1075.2km
金:移動 1426km
土:レース日 キャンセル (トランポ故障修理) 230.6km
日:移動 (トランポ故障修理) 491.2km
月:移動 889.6km
火:移動 1365km
水:移動、到着 163.4km

合計走行距離6808km 
トランスポーター平均燃費 :14.5mpg(6.129km/L)

今回の単独行出費:$1758

内訳:
ガソリン代(レースガス除く) : $953.82
トランポ修理代(パーツ代のみ):$546.97
宿泊費  : $150.54(二泊)
食費  : $107.23
レース・エントリー費用etc. $- (キャンセルのため)雑費省略。
為替相場週平均(遠征時)120円/ドル


(やったけれど)片手間で勤まる道理がない。レース・メンテナンスの時間も含まれていない。


自分はどちらかというと頭より手足が先走りしてしまう人間だけれど、おかげで勉強になった。見返りなんか求めてダートトラックの世界にのめりこんでる訳じゃない。ただ今回、そして2015シーズンをやるだけやった。これ以上の「景色」を見るためには何が必要になってくるか、聡明な方には伝わったと信じている。



それからダートトラッカー連中にすがすがしい顔が多いのは、美しい景色の中を走って見てきているからだと感じた。アメリカには見た事のない美しい景色が沢山ある。ごく一部を通り過ぎるだけだったけれど、それでも大自然を感じ、開拓の歴史に触れる事もできた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

古橋 孝仁を応援してくれている企業さんがいる。




今回特にとてもお世話になったSEVを紹介させてもらいたい。



SEVランズS これの装着によりエンジンの振動が低減され、車体がカチッとした事で直進安定性が良くなった。 具体的には直進時のステアリング修正が減って運転が楽になった。フォードは質量があるので、こういった事が大きい。

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SEVダッシュON このパーツも凄かった。SEVランズSと併用して更に直進安定性が良くなり、バン特有の横風や外乱(トレーラを横切った時、路面のうねりなど)の影響に強くなった。 ハンドルが僅かだけれど軽くなり、車が勝手に走っていってくれるのでこういった効果が長距離ドライブを本当に楽にしてくれた。

実は他にもSEVフューエルPEやSブロックを使用してあったりと、外見のポンコツ具合とは裏腹に結構快適に走れる努力はしてある。カーステレオもそれなりにいい音が鳴るように仕上げた。

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SEVストレッチマット を運転席、仮眠にも使用。 これが睡眠の違いを生み体力の回復、疲労軽減に抜群に役立った。


これらなくして今回のドライブはなかったと本当に思う。走行35万キロに到達している、一度もオーバーホールしていないエンジンが新車当時と変わらない燃費性能を発揮してくれているのも、SEVの効果があっての事だと思う。
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耳栓:騒音を減らす事で疲労軽減に役立った。

居眠り運転対策: ガムを噛む事、但し噛むだけでなくガム風船を膨らます動作を続けること

噛むだけではNG。 仮に睡眠をとっていても集中力を切らすと意識がオチて車をフラつかせる事があった。しかし序盤にこの方法を見つけてからは解消し以降を乗り切れた。




給油について:主にシェルのガソリンスタンドを利用した。これは燃料の品質を「いち消費者」なりに揃えたかったからで、燃費計算の精度を少しの確率でも上げたいという理由から。 ところが西行きの途中で気が付いたのだけれど、同じシェル・プランドのスタンドでもオクタン価が州によって違った。で、低いオクタン価のガソリンでは燃費に影響が出るようだった。走行条件はずっとハイウェイなのだけれど、上り下りの続く箇所もあるから一概に結論付けるつもりはない。(米国内では一般的にオクタン価が高いほど燃費が伸びると言われている。今回の一連のデータ自体はそうだった。)




読んでくれてありがとう。





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で…まずは車のシガー・ソケットから直しますね(苦笑)。






Koji Furuhashi Racingにご協力を頂いている企業様、いつも応援ありがとうございます。:
Arai Helmet, BLUETAG, CP Pistons, Durelle Racing, G2 ergonomics, Kadoya, Kersting's Musium, Native eyewear, Redstone Performance Engineering, Racetech, Rebel Gears, SEV, Smith moto goggle, Sudco, Webcam, Westfield power sports, WPC Treatment USA, (ABC順)



KFRオリジナル・エキゾースト・ビッグバルブ発売中!


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